１９８７年にＩＳＯ（国際標準化機構）によって制定された品質管理及び品質保証のための
一連の国際規格ＩＳＯ９０００シリーズは、世界中にその普及が進むとともに、この規格を
基準文書とした品質システム審査登録制度が各国において創設・運用されています。
この国際的品質認証制度は、今や世界共通の関心事であり、企業が海外に商品を輸出する
際に、取引先からＩＳＯ９０００の審査登録を条件づけられることが多くなってきております。
また、認証取得することが製品の品質向上、事業の効率化、生産性、サービス性の向上などに
つながることが確認されたため、企業にとってこの国際的品質認証制度の審査登録を受ける
ことは、商取引、契約、サービスなどを行うに当たっての必須条件になっております。
コンピュータ関連製品、システムの設計、製造・販売に携わる当業界企業においても、早急
に取り組み、製品品質の向上と安全性確立に向けて企業体質を強化し、対外的に品質の高さ
をアピールすることが必要不可欠のことと認識されています。
しかし現状では、各企業でのＩＳＯ９０００認証取得には、その準備と社内体制整備、手続き
等に要する要員、期間、費用等に負担がかかり、実現出来ないケースが多い状況にあります。
そこで、平成８年度から２年間に亘り中小規模の企業においてもＩＳＯ９０００認証取得を
容易に可能とする支援ツールの開発に取り組み、この程完成しました。
今回の開発したモデルシステムの特徴は
１．ＩＳＯ９０００認証取得に最も重要な「品質文書モデル」
２．社内体制づくりのための「ＩＳＯ教育システム」の開発制作
３．認証取得後の品質文書等の維持管理を可能とする「品質文書運用・管理システム」を一連
のツールとして提供できることにあります。
さらに、コンピュータシステム製品を製造・販売している企業では、ハードウェア製品の品質
保証と共にソフトウェア製品の品質保証が必要であることから、日本の中小企業向けとして
初めて、「ＩＳＯ９００１＋ＩＳＯ９０００−3」による認証取得が行えるソフトウェア製品
対応の｢品質マニュアル及び品質文書モデル」を開発制作したことであります。
開発、販売、製造、サービスなど各種企業が、このモデルシステムによりＩＳＯ９０００認証
取得に向けて、積極的に御活用いただくことにより、各社の製品やサービスなどの品質向上に
大きく貢献できるものと確信しております。
平成１０年 ７月
KEIS
関西電子情報産業協同組合
理 事 長 藤 嶋 志 朗
